フィギュアスケートで聴くラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」(全楽章)
「フィギュアスケートでピアノ協奏曲といえばラフマニノフ。」そう言い切ってしまっても良いくらい、彼のピアノコンチェルトは、試合用のプログラムの曲として使用されていると思います。
中でも、ピアノ協奏曲第2番は、フィギュアスケートで使用されているクラシック曲でも随一のもののひとつ。幾多の名選手によって使用されてきたこともあり、名演に事欠きません。
本来であれば全楽章通して、35分ほどの曲。ですが、スケートのプログラム用としてカットされたものであれば、15分弱のダイジェストとして聴くことが可能です♪
というわけで今回は「ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の中の、一つの楽章だけで構成されたフリープログラム」に絞り込んでチョイスしてみました。全部で3つの楽章からなるこの曲の、1つの楽章につき1プログラムをご紹介します。
セルゲイ・ラフマニノフ作曲
ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18
第1楽章 Moderato
第1楽章の名プログラムといえば、やはりこれ。言わずと知れた、浅田真央さんの2013-2014ソチオリンピックシーズンのフリーです。
タチアナ・タラソワ振り付け。それまで、この曲の第1楽章を使ったプログラムでは、第1楽章→スローパートで第2楽章→第1楽章に戻る、という組み合わせが多かったのですが、第1楽章のみで構成したプログラム、というのがとても斬新でした。
このプログラムの初披露となった2013年のJapanOpenの会場でこのプログラムを見た時「タラソワおばちゃんGJ〜!」と心の底から(心の中でw)叫んだ覚えがありますww
ソチ五輪の動画で紹介したいところですが、その年の埼玉開催の世界選手権のもので。
第2楽章 Adagio sostenuto
1996年の世界選手権の特にシングルの競技は、男女共にある意味神がかった大会でした。その中でも本当に忘れられないくらい強烈な印象を残した、ルー・チェンさんのフリープログラム。
サンドラ・ベジック振り付けのこのプログラム。ワインレッドのベルベット調の衣装と共に、どこをとっても気品のあるLuLuのスケーティング・・・。1楽章の真央ちゃんのプログラムももちろんそうですが、このルー・チェンのプログラムも、フィギュアスケート史上の傑作かつ名演技ではないかと思います。
第3楽章 Allegro scherzando
1・2楽章と比べると、使われる頻度が少ない?3楽章。もっとも印象的なのは、アルベールビル五輪の伊藤みどりさんのフリーなのですが、残念ながら3楽章のみではなく、コンチェルト1番との組み合わせ。3楽章のみのプログラムとしてご紹介するのは、アメリカの往年のペア、メノー・サンド組のフリーです。
柔らかく正統派とも言えるスタイルの彼らのプログラムとしては、数シーズン使用した「ネッサンドルマ」が有名ですが、リー・アン・ミラー振り付けのこの3楽章も、優美な彼らの雰囲気が出ていて、個人的に好きなプログラムのひとつです。曲の終盤、みどりさんのプロではトリプルアクセルを跳ぶ部分、彼らのトレードマークでもあったスワンリフトに注目。
そして、ラフマニノフの名演といえば・・・・自分にとってはアシュケナージです。やっぱり。
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番/ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番
- アーティスト:ウラディーミル・アシュケナージ,ヴラディーミル・アシュケナージ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2019/01/23
- メディア: CD